さまざまな事例でおこなわれている計測器のトレーサビリティ―の確認

国際標準に従っておこなう必要がある作業

計測器の校正をする場合にはトレーサビリティも重要になります。校正とトレーサビリティはさまざまな事例においてワンセットでおこなわれていて、この2つのものを一緒におこなうことにより、より正確に計測器の精度を確認することが可能になります。国家標準や国際標準に適合するレベルでおこなうことが求められていて、実施する際には事前に確認しておく必要があります。国際標準に従っておこなわれていることが認められた場合には、専門の審査機関から証明書を発行してもらえます。

校正とともにおこなわれるチャートの作成

計測器のトレーサビリティを確保するために用いられている具体的な事例の一つが、専用のチャートの作成です。チャートを作成しながらおこなうことにより、精度を確認する作業において多くのメリットがあります。こうしたチャートを用いて多くの事例で記載されているのは、校正をするために利用した器機の手順に関する事項です。校正をする場合にはどのような順番で校正をおこなったかが非常に重要になるために、記録に残しておく必要があります。

チャートを作成することのメリット

校正の手順がどのような経路でおこなわれたかを記録として残しておくためにチャートは利用されています。経路をチャートに保存しておくことで、後で何らかの不都合が生じた場合にも原因を追跡しやすくなるのがメリットです。経路をチャートに記載する場合にはできるだけわかりやすく記載することが重要になり、校正の経路を明確に記載していくことで、より校正の正確性も向上できるようにするのが目的です。製品を製造している生産施設などでも作成することが可能です。ですが、こうしたチャートを使用しない方法の方法が近年では一般的になっていて、証明書を発行する方法により、検査が正確におこなわれたことを証明する方法もあります。チャートを使用する方法があまりおこなわれなくなったのは、チャートを作成することが計測器の追跡可能性を必ずしも保証するものではないからです。証明書を発行する場合に重要になるのが審査機関の審査を受けたことを証明できる印です。この印が証明書に記載されていることにより、検査をおこなった機関が正しい方法で追跡可能性をおこなったことが保証できます。以前はこうした審査機関の審査をおこなうことが難しかったためにチャートを作成することが多かったですが、現在は証明書に審査機関の印を記載する方が主流になっています。